歯ならびが悪かった日

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    先日、飲んでいたらフェチの話になった。
    よく話題にあがる話だ。

    メジャーなところではお尻フェチや眼鏡フェチといったところか。あと絶対領域もすごい人気だ。

    年配の人に聞くと、口をそろえてうなじに魅力を感じるという。個人的にはまったくなのだが。
    昔の美人の定義として「小股の切れ上がった」と言うが、それもまたフェチの一種だろう。

    では私は何フェチかと問われると、中学生の頃からの歯ならびフェチである。

    ピシッと揃った歯ならびではなく、ガタガタのならび具合に魅力を感じるのだ。歯ならびと林檎たちはふぞろいなほどいい。前歯が折れていたりしたらたちまち確変突入するだろう。これは男女関係なくだ。
    ちなみにふぞろいの林檎たちは見たことがない。

    私は学生時代、音楽はシンガーソングライターよりバンドを好んで聴いていた。というより、ソロシンガーになぜか魅力を感じなかったのだが、例外として大江千里、徳永英明、槇原敬之は好んで聴いていた。アルバムだって全部持っている。

    その3アーティストの共通点とはなにか。そう、皆歯ならびが悪いのである。ガッタガタだ。当初は歯ならびのことは気づかず、のちに知った。おれのシックスセンスが引き寄せたのかも知らない。

    男性でこれなのだから、女性ならかわいさ10割増しだろう。クイズダービーで言うと最終問題の「倍率ドン!さらに倍」のレベルだ。はらたいらもびっくりである。

    そう言うと、よく「八重歯とかいいよねー」と言われるが、八重歯とはジャンルが違うのだ。

    わかりやすく言えばポケモンとデジモンくらい違う。わかりにくく言えば十一面観音と不空羂索観音くらい違うのだ。わかった?

    そして歯ならびの話でどうしてもはずせないのが歯列矯正。あの金具には永遠の理を感じることができる。ここは永遠と書いて「とわ」と読むところだ。とわのことわり。よくわからないが。

    しかしである。矯正をすると次に待っているのはきれいな歯ならびなのだ。歯列矯正の未来はきれいな歯ならび一択である。
    自らの死と引き換えに繰り出す最終奥義みたいなものだ。散り際がいちばん美しいとか、食材は腐る寸前がおいしいとか、そういったことだ。これが諸刃の剣か。

    しかしそれらは後に散るし腐ってしまう。

    デッドオアアライブ。
    歯列矯正ダメゼッタイ。

    この教えをたずさえてガンダーラを目指したいと思う。歯ならびの悪い国、ガタガータ。

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